DVDプレスサービスは「格安」「激安」「低価格」だけではリスクが高い!?
DVDプレスの値段の背景にあるもの
DVDプレス(DVD大量複製)サービスは、いろいろな会社がサービス提供していますが、インターネット上では、低価格を謳う会社がとても多くあります。
一方で、それらの会社の2倍程度の価格の会社もあります。
一体この違いはどこから来るのでしょう?
DVDプレスで使用されるDVDはポリカーボネートを原料としています。
ドロドロに溶かしこんだポリカーボネートを、金型を使って大量生産するだけなら、安くできるでしょ!と思われがちですが、実は原価には意外なものも含まれています。
それはライセンス代。
DVD規格の成り立ちは複雑で、1枚のDVDの中には多くの会社の技術、特許が絡んでいます。
ディスクだけでいうなら、DVD FLLC、3C(OneRed)、6Cなどが代表的なものとして挙げられます。
・DVD FLLCは、DVD Format/Logo Licensing Corporationの略で、東芝、ソニー、松下など10社共同出資の会社で、DVDのロゴの使用許諾を発行します。
・DVD3Cは、ソニー、フィリップス、パイオニアの3社によって設立。後にLGが加わり、名称もOne-Redと変更しています。
・DVD6Cは、東芝、日立、松下、三菱電機、日本ビクター、ワーナーにより設立。後にシャープ、三洋、SAMSUNGが加わり現在9社で構成されています。
上記の違いは、DVD FLLCがライセンスされた製品にロゴ表記使用許諾するというものに対し、3C、6CはDVDディスク、DVD機器の技術的なライセンス提供になります。
プレス会社は、このいずれのライセンスを取得している必要があり、1つでも欠けているとライセンス違反となります。
ライセンス不払いで起きた大事件
光ディスクの製造国と言ったら台湾ですが、以前、台湾にはHongshengというプレス工場がありました。
Hongshengは日本向けのDVDを多く取り扱っていましたが、上記の6Cライセンスだけ取得していませんでした。
その結果、DVD6Cの主幹会社、東芝より数億円の訴訟が起き、事業継続ができなくなりました。
そのタイミングで生産していたDVD、過去のプレススタンパーなどは、すべて国外輸出できず、日本のお客さんは泣き寝入りしたという出来事がありました。
このような事件が起きてもなお、DVDライセンス代を払っていない工場が韓国、台湾にもまだ残っています。
ライセンス代は、1枚のディスクでも相当な重みとなって来るため、ライセンス代を払っているか、いないかで、DVDディスクの単価は全く異なります。
DVDプレス工場の多くは、赤字体質のため、常に工場をフル稼働させなければならず、価格もありえないほどの低価格となっています。
そういう会社はマスター管理もずさんですので、注意が必要です。
当社では、毎年台湾工場へ出向き、監査を行い、ライセンスを払っている工場とのみ取引をしておりますので、ご安心ください。